第5回未来塾講義録

講義名
第5回信州おもてなし未来塾(高野塾)
講議日時
平成26年11月13日(木)13:00〜16:00
場所
長野市 生涯学習センター 学習室1・2

講義内容

ホスピタリティー溢れる組織づくり ~モチベーションアップを目指す~

第5回「信州おもてなし未来塾」の写真

講義内容
高野 登塾長 講義
ホスピタリティー溢れる組織づくり
 ~モチベーションアップを目指す~
グループ討議・発表
『ポジティブな言葉・前向きな言葉・褒める言葉
 相手をワクワクさせる言葉』
『朝目覚めたときの感謝のレシピ』 他

 

1 講義

《高野塾長講義》

ホスピタリティー溢れる組織づくり ~モチベーションアップを目指す~

講義導入

これまでやってきた事をそしゃくしながら、まとめていく。
書く作業が多い為、模造紙を各テーブルの上にセットし、進める。

テーマ『ホスピタリティー溢れる組織づくり』について

・ホスピタリティ溢れる組織とホスピタリティがない組織の違いは”言葉”である。
・組織の中で使われる”言葉”から社風とブランドが生まれる。
・ホスピタリティ溢れる組織づくりとは、ホスピタリティ溢れる言葉を使うことである。

(1)ホスピタリティ溢れる言葉とは

①前向きな言葉である。

②リッツカールトンの中で出てきた言葉
fabulous(素敵な)・wonderful(素晴らしい)・beautiful(美しい)
I Love You(愛している)
reliable person(信頼できる人、頼りがいのある人、安心できる人)

③相手にプラスのイメージを伝える言葉
日本語でも英語でもたくさんある。

(2)ホスピタリティ溢れる組織とは

・ホスピタリティ溢れる組織ではホスピタリティ溢れる言葉が行き交いお互いの心を元気にする。

・ホスピタリティがない組織では相手の心を萎ませる言葉を使っている。

・ホスピタリティがない組織とは、嫌われるにはどうしたらいいか等と逆説的に考え、嫌われる要素を明確にすることでそうならない様に行動する。

(3)顔つきを変え、モチベーションアップを目指す

①顔つきを変えていく

・前向きに「自分だったらこう考える。自分だったら大丈夫。この角度から考えれば解決策がある」等考える習慣のある人は、生き生きとした顔つきになる。

・後ろ向きに「つまらない事を考え、どうせ、そんな事言ったって」等考える人はつまらない顔つきになる。

・自分の顔つきに責任を持った人達の集団は一緒に働いている人のモチベーションをも上げていく。

・リーダーや組織のトップは自分の顔つきに責任を持つという事を意識する必要がある。

2 グループ討議・発表

第1回目グループディスカッション

(1)グループディスカッションのテーマ

『前回までの塾を受講後の自分の変化と周りの反応』
準備運動として10分間
「自分の中で変わった事」「行動に落とし込んだ事」「気付き」
「実行に移した時の周りの反応」についてグループディスカッションをする

(2)変わったところについて

塾生①:
悩んだり落ち込んだりした時は、寝る前の10分間でポジティブな発想や考え方ができるようになった。
塾生②:
自分の行動の基準に客に対するものが増えた。
塾 長:
そうなってくると歯止めが効かなくなるくらい人の事考えるようになり成長する。
塾生③:
顔つきや表情を意識するようになり「最近表情がにこやかになった」と言われた。

(3)グループディスカッションを終えて

①表情豊かにする

・顔の表情や顔つきは凄く大事。

・よく「目は嘘をつかない」と言うが嘘をつけない部分は〝眉〟である。

・表情豊かにするということは全身アートであり、意識することが大切である。

②コミュニケーション

・相手にどのよう映るかがその人のすべてであり、それは自分自身の責任である。
伝わらなければないのと一緒である。

・コミュニケーションも全身アートであり、一つ一つを丁寧に表現していかなければならない。

③挨拶

・挨拶とは〝一挨一拶〟という意味である。
一挨一拶とは相手の技量を互いに探り合う真剣勝負であったが〝一〟が取れ〝挨拶〟となった。

・自分から気持ちの良い挨拶することで、どう返してくるかのという反応を見る。
先輩から先に挨拶した場合には後輩の反応をみることでそのレベルを確認することができ、育てる基準も見えてくる。
そういったことを意識していればリーダーから率先して挨拶をしていく。
社内では部署が違っても同じ釜の飯を食べる仲間であるので挨拶をしていく。

・「ホスピタリティ溢れる組織づくり」の原点は自分から挨拶をすることである。

 

第2回目グループディスカッション

(1)グループディスカッションのテーマ

『ホスピタリティ溢れる組織づくりのための言葉』

◇ポジティブな言葉・前向きな言葉・褒める言葉・相手の心をワクワクさせる言葉を100個書きだす。

・常日頃から考えていればすぐに出てくるが、考えていなければなかなか出てこない。
また人を褒めた事がないと褒め方がわからない。

・様々な角度から考えていく。

・お互いを褒め合うという課題で言葉を考えてみる。
時間があればゲーム感覚で、ファシリテーターを3人で褒めてみる。

・身に付けるものや化粧の仕方等様々な角度から物事を見る習慣をつけると、人を褒める方法がいくらでも見つかる。

(2)第2回目グループディスカッション

(3)発表

チーム【F】発表

~塾長コメント~

普段から我々がこういった言葉をかけることができると良い。
優しさが内蔵されている県民性だが、表現することが苦手で、こういった言葉が出てくれば、長野県は一気に変わると思う。
言われると悪い気がしない言葉を引き出していくことが社会や会社の組織を良くしていく。

チーム【H】発表

~塾長コメント~

・短いセンテンスでメンバーの個性が表現一つ一つに出てくる。

・何気ない一言を色々な人(仲間、部下、友達同士)にかけていく。

・持っている思いを言葉として発するには表現力が必要である。

・《表現されざる大きな愛》より《表現されたる小さな愛》の方が受け取り手の心に響き、残る。

チーム【I】発表

チーム【G】発表

チーム【D】発表

~塾長コメント~

「貴方と」「貴方の」という、キーワードを省いて会話をしている事が多い。
命が大切だと100回言うより、「貴方が」大切だと言う方が、心に響くという当たり前の事に神経が行かない事が多い。
このテーマでグループディスカッションをすると組織や自分自身が浮き彫りになる。

チーム【A】発表

チーム【C】発表

チーム【E】発表

チーム【B】発表

(4)グループディスカッション・発表内容を受けて

①人を褒める(知らない人の場合)

・シチュエーションごとに人を褒める事やポジティブに物事を見ることは難しい。

・子どもや持ち物から褒めていく
子ども⇒ ペット(賢そう・言う事を聞く・毛並が良い等)⇒車・自転車(拘りがある・素敵な)⇒ ファッション ⇒ 表情

・周辺から探り内部へ入っていく。何故ならばその人を知らないからである。

②褒める理由とは

・誰しも自分の存在、働いている事、頑張っているという事を、周りに認証されたいという欲求がある。

・気が付いた人が認証し、貴方は大事、に意識が行っていること伝えることこそが社会や会社の中でモチベーションを上げていく最高の方法である。
自分が認められ、生きがいを働き甲斐を感じることで人は生きていける。

③周りに広げていく

・周りに広げていく力をつけるための未来塾であり、学んだものは発揮しないと意味がない。
知識も、学んだこともどこで、どれだけ使うことができるかということである。

④褒めるポイント

褒めるポイントは人、性別による最大公約数的なものがある。
それぞれの人には褒められると弱い(嬉しい)というポイントがある。

グループワーク

(1)グループワークのテーマ

『目の前の相手を褒める 』
~1人を3人で2分間、目の前の人を想像が働く限り褒める~
・自分が人にどう見られているのかを感じる機会になる

行動のレシピ

(1)目的と手段

・未来塾に参加することは地元長野を元気な、ハツラツとした県にするという大きな目的を達成するための手段である。
その目的の手前にある目的は、自己成長、自己変革を起こすことである。

(2)自己変革のための行動のレシピ

・自己成長、自己変革の為にはレシピが必要である。

・一日の中で使う言葉や行動をレシピにし意識しながら行動する。
分かっていると思ってレシピを書かないでいると、何もできないまま1年が経過してしまう。

・朝一番に今日のレシピを確認するところから始めることで自分の原点に戻ることができる。そしてこれは組織をも激変させる。

 

第3回目グループディスカッション

(1)グループディスカッションのテーマ

『朝目覚めてからする感謝のレシピ』を考える

①実践している組織

山形の病院で朝目覚めた時に感謝することを決め1年間実行した。
そうすることでこの病院は激変し、地域の人達からも良い評価を得ることができるようになった。

②行動のレシピ

・レシピの最初の部分には1日の始まりに、朝目覚めてからする感謝の言葉からスタートさせる。

・レシピの最後の部分には1日の終わりに、感謝する言葉「今日も良き一日を授かったことに感謝」「雨露がしのげ、眠る場所があることに感謝」で締めくくる。

・1日を過ごす中で外したくないものを料理のレシピのように書いていく。

・レシピは最初からたくさん入れ過ぎず、まず一日を意識し、一か月を、一年を意識して一個ずつ増やしていくというスタイルでも良い。

・組織の中の思いを言葉にし、行動に変えていくと企業哲学が固まってくる。
それと同時に生き方の理念が固まり生き方の軸ができる。

・3、4ヶ月経ちレシピを見なくてすむようになってくれば、それをベースに少し難しいレシピを書く。ただし、朝の感謝の部分は変えないでおく。

③朝目覚めたときに感謝すること

・朝目が覚めたときに何に感謝するか書き出し、大事にしたいもの2つを選び各チーム、8つずつ発表する。

・プライベートな部分は発表する必要はないが行動の中で外したくないものはレシピに書いて持っておく。

・朝一日のスタートの時にレシピを見ることで、その日一日の働き方の基準ができてくる。

◇新しい習慣を入れることが自己変革の第一歩である。

(2) 3回目グループディスカッション

(3) グループディスカッションを終えて

・毎日が平凡であるということがいかに非凡であるかということは、今の木曽の状態をみてもよくわかる。平凡であることに感謝をしなければならない。

・リッツカールトン大阪では阪神・淡路大震災の後、”ホテルが倒壊せず、今日も働く場所があること”に感謝し1日をスタートした。

・朝目覚めて起きるまでの感謝
健康体であることを具体的に確認することを自分の流れにする。
(時計が見える・指が動く・足が動く・腰が回る・首が回る)

・起きて出かけるまでの感謝
具体的に家の中の一つ一つの事に感謝をする。(マンションがある)

・具体的なレシピの方がイメージしやすい。

・レシピを習慣化し、レシピを自分の中ですべてなぞるまで外に出ない。

・習慣化する

・成功し、地位のある人の方が1日を感謝しながらスタートするということを習慣化しているように感じる。

(4)発表

チーム【B】発表 

~塾長コメント~

朝目覚めた時にする感謝の言葉が出てくるということは心の中では意識しているということである。その思いを更に深めていくために書いて持っておく。
朝起きて「今日も良い一日になる」と声に出していってみると不思議と良い1日になる。
自分の脳を騙すことのできる最初の人間は自分自身であり、自身が使う言葉を脳が察知し、良い1日を作り出す。ネガティブな言葉を使う場合もまた然りである。
すべて物事の捉え方ひとつである。

チーム【A】発表

~塾長コメント~

ほとんどの人が感謝しながら生きているが、それをより深く自分の中に刻み込んでいくことが大事である。

チーム【C】発表

~塾長コメント~

計算をしてはいけないところで計算をしてしまう。削減することが本当に必要かどうかという判断は、経営者ともなれば更に難しい。
人材育成、給料が『投資』なのか或いは『費用』なのか、使う言葉一つが重要である。
人を育てることや、一緒に頑張っているスタッフへの感謝のしるしである給料が『費用』であるはずがない。
『費用』という言葉で一生懸命に頑張ろうとするスタッフのモチベーションが上がるわけがない。
『投資』という言葉を使うことで、この投資に対してどうやって返していこうかという発想が生まれ、モチベーションは上がるのである。

チーム【D】発表

~塾長コメント~

立場によって見える景色が違ってくる。
景色を変化させこと、パラダイムシフトを起こすことはなかなか難しい。

チーム【E】発表

チーム【G】発表

~塾長コメント~

ご飯を食べることも命に感謝である。
1日のスタートをなにげなく終わらしてしまわない。

チーム【F】発表

~塾長コメント~

“どうすれば感謝の思いを心の中に溜めておくことができるのか”
ホスピタリティ溢れる組織づくりの一つの大きなキーワードは持続可能な再現性ある組織をつくるということである。
未来塾で学び感じたことを肉付けし持続させ、更に広げていく。感謝の力をパワーアップしていくにはどうしたら良いかを次回までの宿題とする。
次回は持続可能な再現性ある組織づくりを実践している企業の仕組みを、シェアしながら進めていく。

チーム【H】発表

チーム【I】発表

 

3 総評・まとめ

◇改めて考えると、それぞれの役割の中で感謝することがたくさんある。

(1)持続可能な組織

・経営者の最大かつ最高の責任は会社を永続させる、潰さないことである。

・伊那食品工業は寒天ブームで生産が間に合わない時であっても社員が疲弊するからと簡単に生産ラインを増やすことをしなかった。それと引き換えに失うものがあることがわかっているからである。
トヨタの豊田章男氏が伊那食品工業会長の話を聞くために毎月ヘリコプターで通っている。
それは会社を良くするための投資であり費用ではない。

(2)インプットとアウトプットの関係

①インプットとアウトプットの関係を意識する

自己変革、社風変革のためには、違ったアウトプットが必要となる。そのためにインプットを変えていくのである。

②思いを持続させていくためには

同じアウトプットを続けるとマンネリ化し、飽きてきて、モチベーションが下がり継続することが難しくなる。
継続するためにはアウトプットを変え続けなくてはならない。緩やかに、楽しく、わくわくとするようなアウトプットを入れていく必要がある。

・リッツカールトンでは毎朝のシフト交替前に20分間のミーティング(ラインナップ)を行う。このラインナップに毎回違った学びと気付きの要素が入っている。
そういう仕組みを作ることで継続可能となっていく。

(3)行動のレシピ

・未来塾の中で得た新しい自分を見つけ、インプットを変え続けていく為のヒントや意識の中にあっても行動として明確に落とし込まれていなかったものをレシピに書いていく。

・”1日をどうスタートしどう終わらせるか”という行動のレシピを出来るだけ早く作る。
そして正月に1年間の行動のレシピを書く。

・レシピは小さな紙に書いてポケットに入れても財布の中に入れてもよいが、1日に1回見ることを習慣化し、実行できているかどうかの確認をすることが重要である。

(4)まとめ

◇自分が使う言葉を変え、言葉を増やすことで、環境や自分自身が変わってくる。

◇自分が使う言葉を変え、言葉を増やすことで、物事に対する理解力、物事を見る角度、捉え方が変わってくる。
パラダイムシフトとは目の前の景色を変えてみる事である。

◇過去と他人は変えられないが未来と自分、そして過去の経験や起こったことに対する捉え方は変えられる。

◇経験や成長により感性の幅が広がることで、人を受け入れる力、人を受け止める力、人に伝えていく力も圧倒的に強くなっていく。

◇『どれだけ世の中の役に立てるか、地域社会のために何ができるか』という発想を持つことができる体質を作っていく。
それこそが “おもてなし未来塾” “長野県” にとっての究極の最終形なのではないかと思う。

『今日もこうしてまた素敵な皆さんとこういう時間を過ごさせてもらえた事に感謝を申し上げます』