第3回未来塾講義録

講義名
第3回信州おもてなし未来塾(第2期)
講議日時
平成27年7月13日(月)
場所
長野県庁 講堂

講義内容

ワールドカフェ方式によるディスカッション

第3回「信州おもてなし未来塾」の写真

講義
塾長 高野 登氏
ワールドカフェ方式によるディスカッション
特別参加
信州おもてなし未来塾1期生(11名)

 

1 講義

 第3回信州おもてなし未来塾はワールドカフェ方式(※1)によるディスカッションを実施。
 テーブルはAからKまで11卓作り、各テーブルのファシリテーター(ディスカッション進行役)はおもてなし未来塾を修了された1期生11名にご協力いただき、担当していただいた。

(※1 ワールドカフェ方式とは)

  • 本物のカフェのようにリラックスした雰囲気の中で、テーマに集中した対話を行う。
  • 自分の意見を否定されず、尊重されるという安全な場で、相手の意見を聞き、つながりを意識しながら自分の意見を伝えることにより生まれる場の一体感を味わえる。
  • □メンバーの組み合わせを変えながら、4~5人単位の小グループで話し合いを続けることにより、あたかも参加者全員が話し合っているような効果が得られる。

【実施の手順】

  1. 1 テーブルに4人~5人で座る。
  2. 2 約20分程度の話し合いを3ラウンド行う。
  3. 第1ラウンド(約20分)
    各テーブルには模造紙(ポストイット大)、マジック、付箋紙が用意されており、発言内容を各自が自由に付箋紙などに記入し貼付する。
  4. 第2ラウンド(約20分)
    各テーブルのファシリテーター(1期生)だけ残して、他のメンバーは別のテーブルにバラバラに移動する。
    各テーブルのファシリテーターは、新しいメンバーに自分のテーブルでどんな内容が話し合われたか説明する。(2分以内)
    新たなメンバーは前に自分がいたテーブルで話し合われた内容を紹介し、今のテーブルの内容との繋がりを探る。
  5. 第3ラウンド(約20分)
    移動した各メンバーは、第1ラウンドで自分がいたテーブルに戻る。
    移動したメンバーは、別のテーブルで出た内容を紹介し合いながら、さらに内容の共通点や繋がりを探る。
  6. 全体セッション(約20分)
    各テーブルのファシリテーターがテーブルで話し合われた内容を発表する。各テーブルで話し合われた内容を全員が共有する。

高野塾長

 土曜日、善光寺さんのびんずる市に出て、けっこう焼けた。全く日差しが弱まらなかった。昨日も市内を動いていたが、県外から長野に来てもらうことがどんどん形になってきたと感じた。
 今日は、ワールドカフェを行う。リッツカールトンでもよく行っており、大きなもので400人、100テーブルで行ったことがある。動くのが大変だと思ったが、5割くらいが経験者だったので、人数が多いから大変、人数が少ないから楽ではなく、要は動くときに皆さんが自分の荷物を気にしながら移動していくので大変になる。荷物は工夫して置いていただきたい。
 それでは、本日の大事なお題。東京オリンピック・パラリンピックに向けて「おもてなし長野県」のあるべき姿。唯一、札幌以外で98年のオリンピックを経験して、「信州おもてなし」を世界に発信した長野が、次の2020年の時に、他の県の人たちが真似をしたくなるような、そういう「おもてなし」を我々は形にできればと思う。昨年、「おもてなし未来塾」がスタートした。本日は、第1期の方達も来ていただいているが、毎回原点に戻りながらスタートすることが大事。毎朝、我々は、「何をするために存在しているか」と、考えて仕事に入っていく。これを毎日やることで自分の働き方がブレない。未来塾の場合は、毎月なので、毎日考える時間がない。そうするとつい、なんとなく毎月この未来塾に集まって、何となく1日を過ごし、今日も何かいろいろな話を聞いたけど、というように終わってしまってはものすごくもったいない。それで、毎回最初に、原点に戻る時間をとっていきたいと思う。そこで、ワールドカフェのストレッチ運動のような気持ちでやっていただきたいのが、「そもそも「おもてなし未来塾」というのは、何のためにスタートしたのか、そこに自分が居ることの意味ってなんだろう?自分が関わることの意味とは?そしてこれが終わるまでに何をしなければならないのだろう。」ということを考える時間を皆さんに取る。そのディスカッションを12分程行っていただきたい。どのような切り口で入っていくかは、それぞれのテーブルのファシリテーターにお任せする。

2 ディスカッション

【ディスカッション1】

(高野塾長)

  どんな話をしたか、代表でお願いしたい。

(Iチーム)

  自分の住んでいるところをもっとよくしていこう、地域にお年寄りが居る、お子さんが居る、若い方が居る、観光客の方が居る、どういう形で町を元気にしていくかということを議論している話の途中だった。

(Hチーム)

  皆さんが、最後どのようになって終わりたいかということを話した。皆個々に目標とかがあって、今までやってきた経験とかがある。その内容とかは話し始めたばかりで、もっと話したいというところ。皆、目的や興味があってそれを追求して自分なりに最終的に考えて、どういう風にしていくかで終わった。

(高野塾長)

  そのくらいの話し合いがちょうどよい。あくまでも今は準備運動。頭の中を軽くして、いろいろな人の話を聞いてほしい。

(Dチーム)

  どのような目的で参加しているか?と皆さんにお聞きした。交通業界の方は、自分に何ができるのかを模索するために参加されていると。ホテル業界の方は、「おもてなし」は当たり前だが、お客様がもう他のホテルには行きたくないと、そこまで思っていただくためにはどうしたらよいかという、かなりレベルの高い意識で参加されている方もいる。また、長野の「おもてなし」の底力を出すお手伝いをしたいという意見、長野の価値をもっと広めていきたいという意見なども出て、大変刺激的であった。

(高野塾長)

  そもそもこの塾に参加している人で、志や意識の低い人はいない。皆さん本当に意識が高い。進めていてやりがいがあり、いい意味で楽。
  ここで皆さんにどうしても頭に入れていただきたいことがある。ここに参加されている皆さんには、リーダーになって欲しいということ。長野を引っ張っていくリーダーに。リーダーシップを身につけてもらうために、1年間「おもてなし」という一つの切り口から自分の街をリードしていくためには何が必要か、どういう力が必要か、今、弱いことは何か?ということを、明確に自分の中に持っていて欲しい。そして1年経った時には、皆さんがリーダーになっている。少なくとも「おもてなし」という大事な感性を長野県の中に広めていくリーダーとしての感性を身につけている。この状態になっていることが一つの目標。
 日々の仕事をしていると、経験上もそうだが、どうしても現場の目で日々過ごしてしまう。目の前にやらなければいけないことがあるから。これはこれで大事なこと。
 これを私の表現で言うと、「虫の目」と言う。つまり、今目の前にあることを見つめて、力を発揮する。もうひとつは「鳥の目」。全体を見る。今何が起きているのか。自分を第3者の目で見たときに、自分にはちゃんと目的がある、1年後の明確な目標が決まっているということを、第3者的に自分を見るということを習慣的にして欲しい。そうしないと、忙しいが結果がでないということになってしまう。そういう時に自分は何をしなければいけないか、この状況を自分は把握しているのか、これを俯瞰的にみる。もうひとつが「魚の目」。つまり、流れを読んで前に進んでいく、場合によっては横に向かう、上流に向かう、流れを読んで走っていくことが仕事では重要。
 この三つの感性は、リーダーシップということを考えたときに誰もが持っていないといけない感性。その中で、知識を身につける、いろいろなものを理解していく力、これを行動に落とし込んでいくためにはどうしたらいいのか、「分かってはいても何をしたらいいかわからない」という人たちが世の中に沢山いる。
 「何をしたらいいのかわからない」、実は様々な企業の研修に行き、その言葉をずっともらっていたので、『心の筋トレ』という本を書くことにした。それだったら具体的に書いてみようと。「未来塾」で1年間やっていく中でいろいろな人と話し合いをすると、自分の中に見えてくるもの。ここでディスカッションをすることでひとつの行動に繋がっていくから、体験と同じ。いろいろな人の話を聞き、それを自分の中で疑似体験できるということは、自分の中に「気づき」をもたらすことができる。知識というものは、机の前に座って本を読んでいても身につけることができるが、行動に落とし込んでいく気づきだけは、体験を通さないと自分の中に波浪しない。頭でわかっているだけでは行動に落とし込めない。だから、左利きの人がレストランに来て、右のナイフを左に、左のフォークを右に移しているのを見たときに、それに気がつく感性がない限り、次の日の朝同じお客さんが来た時に、「フォークの位置を変えておきましょうか?ご自分でされますか?」という一言が出てこない。これは自分が体験を通してそれを目の前で見て、それに対して自分が何を考えるのかの気づきがない限り、行動に落とし込めない。そのための時間をこうやってディスカッションしながら自分の中で疑似体験を通して積み重ねていく。そういう体験をどれだけ築き上げるかによってその人の伝える力が違ってくる。
 数字で表すのもおかしいが、皆さんは、70%は伝えられる側にいて、30%は伝える力がある。でも、最終的には100%自分が伝えるという力を身に付けるということが、リーダーシップを身に付けるということ。リーダーシップとは何か、「コミュニケーションを生み出す力」。自分からコミュニケーションを生み出す力をつけていないとリーダーにはなれない。あるいはリーダーシップを身に付けることはできない。この場合の伝える力とは「お喋りする力」ではなく、「ひとつの目的に向かって自分の明確な思いを相手に伝えきる力」である。お喋りをしながら楽しむのも必要な力ではあるが、おもてなしという非常に大事な感性を相手に伝えるときに単なるお喋りではなく、相手に「こういうことを一緒に行動に起こしていけば、素敵な街・地域・会社になる」ということを明確に自分が伝えていく力、これが必要。それで、こういう人達が1人でも2人でも増えたらいい。昨年40人近く誕生してくれた。今年も40人近く誕生してくれるだろう。今ここにいる人たちプラス数人ではなく、皆さんの周りに、「10人増えた」、「賛同してくれる人がこれだけ増えた」。今はまだなかなか自分の話を相手に話しても通じる場面は少ない。でも頑張って諦めずに伝え続けていたらある時、「この間あんたこういうこと言ってたよな、今度人が集まるから話してよ」と言われる機会がやってくる。物事を相手に伝えるときに絶対に必要なことが一つだけあるとすれば、諦めずに伝え続けるということ。これが実は一番大変で、野球の松井秀樹さんが「諦めずにやり続けるのは才能だと思う」とハッキリ言った。才能。人は諦めてしまう。逃げ出したら楽。それで誰かに任せたり、それを自分でやらないで誰かがそれをやってくれたらこんなに簡単なことはない。でもそうは言っていられない。特にリーダーになっている人は。絶対に諦めない、これはすごい才能。
 皆さん、ここに来られていて、少なくとも自分の大事な時間を割き、ものすごく大事な投資をしてくれている。それに対して120%以上答えるために私は毎回考えるが、何をして欲しいかというのは、最終的に「相手に行動を起こさせる力」を伝えて欲しい、そして身に付けてほしいということ。それが「伝える力」。相手が自分の思った行動を起こしてくれる、相手に対して伝える力がない限り相手は動いてくれない。お金で動いてくれるものは、お金が無くなった時には動いてくれない。権力で動いている人は権力が無くなった時見向きもしてくれなくなる。自分が信頼し、尊敬し、好意を持っている相手の言葉には一生耳を傾けてくれるはず。その力がリーダーの持つべき伝える力の原点。信頼される力、尊敬される力、行為を持たれる力。簡単ではない。簡単だったらみんなやっている。自分の時間を自分に対して投資する、そのために自分自身のエネルギーをまずは自分に対して投資する。これが一番大事なこと。人のために何かするとき、自分に力がなかったら、充分に感性が磨かれてなかったら、そう簡単にできるものではない。まずは自分自身に自分のエネルギーと、時間を投資する。そうやって少しずつ少しずつ成長していくと会社の中でも、日常の業務の中で気が付いていく力が全然違うと思う。自分の半径5メートルのことでいっぱいだった人がある時、半径20メートル先まで見えるようになっている。今まで気にすることもなかったのに、地下鉄の階段で重たい荷物を持っているおばあさんの荷物を持つのを手伝う。そういうのを「気づき」という。そして気付いて行動に起こせるようになっていくとその人の成長がまったく違ったものになっていく。経験を積んでいく中でわかっていく。まったく違ったレベルでの成長に気がつくのが周りの人。それで自分が「え?そう?変わった?」というくらいになる。ある時「変わったよね」って言われる。「昔はこうだったのに。今は何か魅力がなくなった。」と残念に思われることのほうが多い。だったら、自分をくすませるより、磨いたほうがいい。くどいくらいに言いたいのが、この「リーダーシップ」について考えるということ。例えば話し合いをしている時に、自分が関わっている、これはエネルギーが減る。相手の話に本気になって耳を傾ける。相手の言葉に対して自分が精一杯誠意を持って答えてあげる。これはものすごくエネルギーがいる。そういう時に、自分から関わっていくというスイッチを自分の中で入れる。腹を決めてこの場を自分を磨く最高の機会にする。最初は粗石の上に乗ったように痛い。でもその時に諦めずに粗石の上で自分を磨いていくと、フッと自分の思いがすっと出てくるようになる。それに気がつく瞬間が来る。
 昔、マイクを渡しても一言も喋らないおとなしい女性が居た。3回目の時に自分の思いを紙に書いて読んでくれた。大成長。2年経った時に彼女はマイクを持って全員の前で自分の夢を語って今名古屋でその夢を実現させ、自分の塾を開いている。たった2年で人は変わる。変わろうというスイッチを自分の中で本気になって入れたら人は変わる。お一人様一回限りの自分の人生。まずは自分自身の人生を企てる。これを頭の中に入れておいて欲しい。そうしないと人様のために、社会のために、組織のために何かという時に最後の踏ん張りの力が出ない。自分のことしか考えないのではなく、自分の事も大事に考えるという感性を失ってしまうと、何かの時に自分がブレてしまう。だから、独りよがりになるのではなく自分を大事にする。自分の生き方を大事にする。自分の軸を大事にする。自分が自分の時間の使い方を大事に考える。そういう自分があって初めて、人を受け入れていく、受け止めていく、向き合っていく力がどんどん付いていく。とりあえず人のためになろうと思っても、思いが空回りしてしまう。だからまず、自分の軸を太くしていく。これが大事で、それを含めて、この「おもてなし未来塾」のある意味がそこにある。だから私も皆さんと一緒になって、自分の軸を太くしていきたいし、ここに参加している皆さんの軸が太くなっていくことで、目の前のことに対して対処する能力、つまり「虫の目」の力も全体を俯瞰する力も「今どういう状況の中にいるんだろう」という流れの力を身に付けられる。

  これから、ワールドカフェを行うが、ワールドカフェは20分経った時に二つの方法がある。一つは20分経った時に鐘を鳴らす方法。もう一つは何も言わない方法。20分経った時に何も言わないで私が手をあげて歩いていく。それに気づいたチームから静かになる。それでも時々、半分くらいは気がついて黙っているが、気付かずに自分たちのトークに没頭しているチームもある。それはそれで面白い。でも、同時に自分のアンテナを周りに向けながら、自分たちのやっていることも見ていくという力が付いていく、これも必要。100%目の前の事に集中しつつも周りの事にも気付く「リスクマネジメント」のトレーニングができる。今日はこれをやってみる。20分経ったら何も言わずに私が手をあげて歩く。それに気づいたチームから静かになる。

  それではワールドカフェを始める。テーマは「東京オリンピック・パラリンピックに向けての、おもてなし日本一長野県のあるべき姿」。理想的なことでも何でもかまわない。リラックスして。それではスタートします。

 

(ワールドカフェ)

 第1ラウンド(20分)
第2ラウンド(20分)

(高野塾長)

  セッションを通じて自分の中で、1番最初のチームの中では出てこなかったようなアイディアとか、自分の中の気付き、それをまたここで最後に皆さんでもう1度シェアし、それをチームごとにだいたい5分くらいでまとめ、発表してもらいたい。すごく面白いアイディアがどんどん出ていた。特に多様性の問題や言語の問題など。どういう風にやったらいいかという具体的なアイディアが出ているチームが随分あった。それでは、最後の20分間、まとめも含めて皆さんでシェアしていただきたい。

(ワールドカフェ)

 第3ラウンド(20分)

(高野塾長)

  はい、ちょうど20分経った。各テーブルのファシリテーターの方々には、この後3分くらいプレゼンをしていただく。他と同じ言葉が出てきても全く構わない。
 ではスタートしたい。最初Aチームから順に。3分計る。テーブルが多いので、3分越えると終了予定の16時を越えてしまうので、3分。自分たちのお仲間の1人が3分数えて、教えてあげて欲しい。話している方も、一応3分でまとめる自信はあると思うが、教えてもらって。それではAチームから、お願いします。

(Aチーム)

  東京でオリンピック、パラリンピックの時に長野で何ができるかということで、まず1番最初に出た言葉が、外国人の方が増える、障がい者の方が増えるとは思うが、特別扱いといったことをする必要もなく、当たり前の生活ができるようにということで、話を広げてきた。日本人の独特な考え方としては、やっぱり言葉という壁が凄く大きなものであって、言葉が喋れないから私たちは遠慮をしてしまうということ。実際海外生活を経験している方とか、英語が喋れる方もこのテーブルにいるが、実際言葉が違っていてもちゃんと気持ちがあれば、外国の方にも伝わるという話になったし、何よりも本当に自分たちのおもてなしをしたいという気持ちを広げることが1番大事だなという話でたくさん盛り上がった。また、各国の文化も違うので、そういった中で1人1人が様々な文化を学び、どれかに対応できるようにしていくことがいいと思った。長野でいえば歴史があり、自然が豊かなので、植物や歴史、建物の話をされて答えられないことが困ることもある。そういった知識を学び、聞かれたときに応えられるような人であろうということで話がまとまった。あとは、自分たち自身、言葉が喋れなくても、何か大きなことはできなくても、小さなことで出来ることがあると思われるので、自分たちでできることを探したい。こうした話をもっとしていきたいと思う。

(高野塾長)

  Aチームは多様性の話をずっとされていた。それではBチームお願いします。

(Aチーム)

  まとまりきらずに終わってしまった。一言で言うと、東京オリンピック期間中に長野県オリンピック祭りを開催するということが決定した。ご協力ください皆さん。東京オリンピックの応援に来て、応援のあとはどこへ行こう。選手たちも競技が終わり、少し日本で遊んで行こう、じゃあどこへ行こう。その「じゃあ」というときに長野を選んでいただく一つのきっかけとして、長野県でオリンピック祭りをやっていたらいいのでは?ということを考えた。それはきっかけであり、通過点である。言葉の壁があるので、来ていただいた皆さんに心地良く過ごしていただくために、語学を勉強しなくてはいけないが、分からなくても伝えようとする努力や気持ちが一番大事であって、いけないのは無視をすることだと思う。なんとか片言でも、強引に日本語だけでも、お勧めしていく。そういう気持ちが大事だと。あとは、他のグループの方との中で凄くいいお話があって、「おかえり」という言葉を使ってお迎えしようということ。長野県に来られた方を、自分の親戚を迎え入れるかのような気持ちで受け入れて、向こうもそういう気持ちになってもらえればいいという話になった。あとは行政とうまくつながり、うまく利用してオリンピック祭りをPRするために、ホームページなどを使っていけたらいいなという話になった。

(高野塾長)

  凄いね。オリンピック祭り、もう決定ですか?

(Bチーム)

  そうです。

(高野塾長)

  わかりました。はい。Cチームお願いします。

(Cチーム)

  まず1番最初に出たのが言葉の壁というもの。実際に “Excuse me?”と話しかけられると驚いてしまって、なかなかお返事ができないというのが率直なところ。ワールドカフェのような感じで英語の勉強ができる機会がもっとあったらいいなという話が出た。
 長野駅中心に人が集まると思うが、その場を一緒に整えていきたい。そんなの行政がやればいいと、任せきりにしてしまうのは良くないという思いがある。かといってあまり整えすぎてしまうと外国から来た方にとって逆につまらないのではないかなと。私たちが外国に行った時に、すべて日本語で書いてあったら、ちょっと面白くなくなってしまうのではないかという意見もあった。言葉が分からなくても、無視するのではなくて案内をするということが大切なところ。
 例えば職場において、コミュニケーションの取れない人が人から話しかけられても、嫌だ嫌だオーラが出てしまう。日頃から人と話すきっかけや、そのような場を作って、オリンピックのためだけではない企画をやっていただけたらいいと思う。あと、学校の道徳の授業でおもてなしの授業みたいなものがあるといいと思う。そしてオリンピックがきっかけとなって、長野を好きになってくれるといいと思う。長野に来て「ただいま」と思えるような暖かさ、そんな心で迎えるようにしていきたいと思う。

(高野塾長)

  ありがとうございます。学校というのもいい。今度東京でお母さんたちを対象にした「子育て百年塾」というのをやるが、その時その話をしようかなと思う。今ちょっとアイディアもらいました。

(Dチーム)

  たくさんの意見が出て、ちょっとまとめきれないが、まず大事なのが官民共同で方向性を定めていかないと難しいだろうということと、運搬整備。東京、松本、長野までの間が凄く不便なので、運搬整備をすべき。また、長野に来る理由をまず考えようということで、合宿の聖地、スポーツの聖地であるというイメージ付け、農業体験ができる、そして子ども向けの教育ができるという位置付け。外国の方にも同じことが言えて、農業体験ができる、日本らしさを体験できる。例えば浴衣を着る、下駄を履く、そして箸の練習をする、花火、それから日本食。日本食の意味を知る。味噌の重要性とか、特産の意味。今まで守られた食の、守られた意味を知って食するということの充実感を感じるとか、または定住したくなる環境作りをそこで作ってしまうということ。定住したくなる意味をそこで作っていくということ。
 子どもに、おもてなしという台で我々ができることは何か。これから生きる上で、我々の幸せを作る意味でも、おもてなしは凄く大事なことだということを、高野塾長に喋っていただく時間を作れるといいなと。
 おもてなしを意識した飲食の大会があるが、そういう大会をやっておもてなしの意識を高めることがある。例えばそのおもてなしの大会をして、全国で長野が1位になって注目を浴びるということが一番てっとりばやいという意見も出た。この長野の価値をもっともっと深くして、みんなで出し合い、それを発信できる力、外国語、それから外国の食事、外国の方の価値観と我々の価値観の融合、そういうことも含めてもっともっと勉強していかなければならないという話が出た。

(高野塾長)

  今一瞬、他人事のように聞いていた。僕がやるのね。わかりました。色々とアイディアが出て来ると楽しくなっていく。じゃあ一応聞いておこう。

(Eチーム)

  いろいろな意見が出た。そもそもオリンピックまではあと5年しかないと皆さんはご承知ですか?あとたった5年しかない。どうしようと考えた時に、長野県には外国のお客様がたくさんいらっしゃることと思う。外国の方が来ていただく中で、根底にあるのは資源。その観光資源を求めて外国の方が来ていただけるのではないかと考えた。私たちはその方たちにいろいろ伝えるために、自分たちの地域をまず知らなければいけない。これは点で来ていただくのではなく、面で長野県に来ていただかなくてはいけない。そして自分の地域を紹介できるようにしなければいけない。外国の方に、長野県は安心、安全だということ、そして外国の方のために分かりやすいサイン、案内、標識の整備なども重要。そして、長野県の県民性というところで、外国の方にちょっとお茶飲んでって、ちょっと寄ってってというレベルにならなければいけないというように感じた。そして、自分から “May I help you?”と一言声をかけるというのは非常に難しいという話にもなったので、そこの一歩をどうしても踏み出せるように、最初は “Hello.”だけでもいいのではないかと。県民全員が言えるようになっていければいいという話をした。
 オープンマインドに県民全員がなっていくというのは非常に重要。そして、そうなるためには、まず何より目標をしっかり定めないといけないというところで、決めた。「県民全員がコンシェルジュになる」ということ。そして、ノーとは言わずに外国の方が何か聞いた時に別の提案をしっかりとその人に伝わるような考えが浮かぶ人間になれればいいという話になった。また、大阪の人のようにユーモアのセンスを磨いてもいいんじゃないかという話も出たが、とにかく長野県民全員が、コンシェルジュになるということが決まったので是非ご協力をお願いしたい。

(高野塾長)

  2つ目の決まりは、コンシェルジュだそうです。

(Fチーム)

  議論が尽きないまま、自由トークでまとまりがつくような話ができるかわからないが、紹介したい。
 まず、課題は外国人に慣れなきゃいけないということで、言語だとか、安全だとか、バリアフリーについてが一番課題になっているということ。日本人観光客には、長野県民大変こだわりが強くて、こだわりを説くと、食にしても、作ったものにしても、いろいろなもののこだわりを伝える癖があるが、それが外国人に対してできるかというとなかなかできないのではないかと。そこをクリアし、楽しみ方などを紹介できたらいいというのが課題としてある。目指すものは、今E班から出たが、県民全員がコンシェルジュになるということ。皆さんのご協力をお願いしたい。コンシェルジュとして皆さんが現場で外国人をおもてなしする、来ていただける方皆さんをおもてなしするというのが、日本一のおもてなしの県という形になるのではないかと。そのためには相手を知るということで、外国人のお客様、いろいろな国の方々がいらっしゃるので、宗教、風習、食文化、いろいろ含めて知って、ニーズにどうやって応えていったらいいか、どこまでできるのか、どういう紹介をして、どういうお客様を選んで、逆に選んでいただけるかということを伝えていく必要がある。そうすると日本らしさも伝えられるし、長野県らしさを伝えられることにもなる。目指すものは相手を知ってニーズに応えていく、取り組む、取り組みをするということ。アイディアとしてはいろいろ出て、5年しかないので、選手の方々や選手の卵の方々を含め、トレーニングの場所として長野県を使っていただくということ、ETCや電車などの県内のフリーパスを作ったり、レンタカーの隣接店制度を作ったり、そういったことも大切。また、県内の循環コースを作って紹介していく。バリアフリーに関しては全部整備することはかなり困難なので、今あるところを紹介する、情報を共有できるようにするというのが大事。また、モノづくりの長野県なので、技能オリンピックをこちらで誘致して同時開催していくなどの方法があるというところで、まとまらないが、そのような話が出た。

(高野塾長)

  はい、ありがとうございました。

(Gチーム)

  最初に出てきたのは言葉の壁という部分。いろいろなところで、日本語の下に英語、中国語、イスラム語、ロシア語など書いてあるが、逆に日本に来ていて日本を楽しめないのではないかという意見がある。やはり第1言語である英語に絞って勉強していくべきではないかという意見が出た。また、英語に対する文化や、相手の国を知ることが大切なのではないかという話が出た。別のチームに行って収穫してきた情報だが、”i”に丸がしてあるインフォメーションのマークがあるところには、英語が話せる人が必ずいると。初めて知って、世界共通のマークや情報というのを何も知らないことを痛感した。逆に知らないということに気づいたので、これからどんどん自分から勉強していきたいと感じた。
 他には、宗教に合わせたおもてなし。食事であったり、時間によってはお祈りをしたりという宗教もあるので、そうした文化も知るということ。また、住みやすい町という部分で、長野に住みたいから長野に来たと思ってもらえるような、長野からの発信力をもっと磨くこと。長野に住んでいる以上、私たちはそういう取り組みをやっているということを、最低限知るべきなのではという話が出た。
 また、障害を持った方もたくさん来られるということで、正直障害を持った方とか外国の方にどういう対応をしてあげたらいいか、まだしっかりと分からないということもあって、オリンピックの前に勉強しておかなければいけない部分だと思う。
 まとめると、最終的につながるのは相手を知るという部分にあると思うので、できなくても自分で一歩踏み出し、私は英語を全く話せないけど、とりあえず “Hello.”と言ってみる。とても困るようなら、話せる方のところにご案内する、そういう、とりあえず何かやってみるということを、長野のおもてなしとして実践していったらよいのではないか。とりあえず何か話しかけるという、子供でもわかりやすい、イメージしやすい長野のおもてなしというものを県民に示し、それに向かってみんなで励んでいったらいいのではないかという話で終了した。

(高野塾長)

  はい、ありがとうございます。

(Hチーム)

  私たちの班では、海外から日本や長野に来てくれた人達にどういうおもてなしができるかということで、日本らしい、長野らしい体験をしてもらいたいという意見となり、長野の食、伝統文化を体験してもらうという話が出た。具体的には海外の方に関してはお味噌や日本酒など長野でしか口にできないもの、長野でしか体験できない伝統文化を体験してもらったりすることや、日本の文化としての温泉、お風呂なども入ってもらって、経験してもらい、いい思い出として持ち帰ってもらいたい等の意見が出た。
 また、東京オリンピック開催の際にお祭りを開催し、海外からお越しの方々に浴衣や下駄を履いてもらう。海外の方々が何を求めているかのリサーチすることも大切。いろいろな国の人たちが来るという事で、その人達が生活していく上で必要なもの、場所を提供したらどうか。文化の違いについての話。文化の違いを勉強して理解しておくこと。宗教上の食の問題も理解しておく。相手を知ること。その勉強の仕方、発信の仕方の話し合いを始めたところで終了の時間が来てしまった。

(高野塾長)

  はい、ありがとうございます。

(Iチーム)

  県民それぞれが誇りを持って生活する。自分の愛すべきものを誇りをもってお勧めする。また子どもたちに、地域に愛を持たせるような教育をすべきではないか。等身大の姿、けして無理をしないで真心を伝えて、情緒ある取り組みをしていく。よく「何もない」という表現をするが、「何もない」と思われるほど楽しいということを示したい。敢えて不便さを残す。なんでも便利にするのではなく、不便なことも楽しんでいただく。
 また、その地域の食でおもてなしをする。海外からの方、ベジタリアンであったりとか、宗教上の問題で食べられないものなど、対応も様々に行わなければならないので、信州らしい食の発信ができるとよい。土地の風土と食のFOODを推し進めていく。来られる方がいることで、地域の方々にも自分の地元の食材を改めて再発見していただく。
 個人、企業、行政それぞれが発信し、おもてなしをする。県が情報コンシェルジュ課を作り、県内の情報を一手に引き受け、各市町村と連携する。この連携には是非未来塾の塾生を活用していただきたい。

(高野塾長)

  ありがとうございます。また一つ決まりました。県庁内に新しい課ができますね。

(Jチーム)

  長野県民の県民性としての「一生懸命さ」と「まじめさ」というのが挙げられるのではないかという意見が出た。地域的な課題としては、県が広すぎるせいか、広域すぎて、全県としての連携が足りないこと。克服するには、拠点と拠点の繋がりを民間レベルにまでよせることをしていかなくてはいけないのではないかという意見も出た。
 オリンピックに向けては、準備活動としてまず、「長野観光ツアー」を実施することによって、拠点の人々が、情報発信の練習をすることができるのでないかという意見があった。また、伝統野菜などの食材を活かし、食のおもてなし、「フード愛」を売りにしたおもてなしを勉強していったらどうかという意見も出ていた。さらに、子供たちを対象にして、「地元の地域愛」の教育というのも大切ではないかという意見も。ローカルのおもてなし、自分の住んでいる場所をよく知ってもらうことも必要という意見も出た。あと、外国人対策として、地方の文化と相手の文化の相互理解も大切だという意見も出た。
 最後に、長野県としてはアピール力が不足しているという意見が出ており、残りの5年間で学ぶことは学んで、最後は普段の姿でお迎えするというのがおもてなしではないかということでまとまった。

(高野塾長)

  ありがとうございます。それでは最後ですね

(Kチーム)

  まずは長野の良さを再発見すべきではないかという意見が出た。せっかくある良いものというのが、あたりまえになりすぎて、麻痺してしまっている。そういうものを自信持って発信していく、逆にお客さまのほうが詳しくて、私たちが指摘されるような知識不足を回避していき、そこの意識を高め、「好きな気持ち」「愛せる気持ち」というのを大切にして、知識を深めていきたいというのがまずベースになった。
 環境の整備ということで、ユニバーサルデザインの整備と情報発信、どういうものがあるのか意外と知らないので、情報の共有と、外国人のお客様に向けてということで、「言葉の壁」「歩み寄る気持ち」というのがあって、そこまでは伝えられるというのがみんなベースにある。どこか、サポートセンターに繋げられるだけでも、安心してもらえるのではないかということで、多様性や宗教的なことも受け入れられる準備が必要ということ。あとは、外国人のお客様と日本人のお客様の間を埋めるように、こういうことがあるんだというのを教えてあげるサポートがいるのではないか、それをどんな形で教えてあげるのかという意見が出た。まずは自分たちのお客様を大事にするという、外のお客様の前に目の前のお客様を大事にするという意見が出た。

2 ワールドカフェを終えて まとめ

(高野塾長)

  はい、ありがとうございます!こういうワールドカフェでの一番の価値というのは、自分の中に新しい視点がどんどん入ってくるということ。他の人の視点で物事を見ていて、自分の視点と比べて違うなとわかることが大事。今現在自分の中にある力、何か物事を成し遂げる時の自分達・地域の力ってどのくらいかなという現実と「これができたらいいな」という理想的なものが目の前に出てきた時にギャップをどう埋めるか。会社の中でやっている我々の仕事というのはすべてそれだ。5年後の自分達のなりたい姿と「今の自分たちにできることって何だろう」というギャップをどうやって埋めるかということが底辺である。同じことは地域社会でもできるということ。「おもてなし未来塾」の中で一人一人が今の自分と未来の自分をイメージしながら力を付けていくと、5年後の2020年に向けての「自分の中に足りないもの」、「地域社会に足りないもの」、「自分でできるもの」「こういう社会になったらいいな」というのがイメージできるようになる。これが大事なこと。それと、情報発信力というのが大事。ちなみにおもてなし宣言、当然知っているはずだが、知らないって人は?これ、ずいぶん長いこと経っている。発信されているはずだが、意外と知られていない。戸隠の私の生まれた地域では誰も知らなかった。ものすごく良い取り組みなのに知られていないということは、ある意味、発信力・発信の仕方にも問題があるのではないか。どこに何があってどういうことが起きているのかということを発信していく方法も少し変えていかなくてはならない。それをベースに「おもてなし未来塾」の人達がネットワークを組む。もしかすると「おもてなし未来塾」の1期、2期、3期くらいの人達が本気を出せば、本当に長野県を変えてしまうかもしれない。もうすでに随分変わってきているところがあるので、「独自の発信力」というのが出てくると本当にいいなと思う。それで何が必要かというと、英語で言うと「リーチャブル」と言う。リーチできる、そこに行ったら絶対にある、そこに来てもらえれば情報があるということを伝えなきゃいけない。「あそこのホテルに行ったらこれができますよ」「あそこの店の誰々さん英語喋れますよ」というのがわかっていると、案外とネットワークが組めたりする。で、私が働いていたホテルの従業員は全員自分が話せる言葉のバッヂをつけている。僕の場合は日の丸とアメリカの国旗で、日本語と英語を表していた。同じように、全部で500人くらいいる従業員が3つや5つ、多い人で7つつけていた。それがネットワークとして強力に機能していた。そういうものが長野県の中の言語ネットワークみたいに段々できてくると素晴らしい。正直、みんなそれぞれ英語の力を伸ばしていく必要性を感じている。だから実は、無理やり年2回英語の講演会をやっている。来てほしくないから黙ってやっているけれど。そうすることで自分に意識を持たせる。そういう風に自分を追い詰めていかないとついつい安きに流れてしまう、そういう中で自然体でやることと、英語を学ぶことが同時にできないかというと、「できる」。1日の中で10分時間がとれる人は10分間、英語を学んだとする。1年間でかなり話せるようになる。2年経ったら無敵。でも1日10分取れない?取れる。何が足りないか、1日10分で2年間続けるための教科書がない。それさえあれば誰でも続けられる。工夫次第でできる。そういう風に考えていくと、自分の大事な時間をどういう風に使うかということは自分で決められるし、それに合わせて自分のライフスタイルを組み立てることができる。そういう中でヒントになるようなもの等を皆さんに今後紹介していきたい。

  さて、本日は、初めてのワールドカフェで、本当にいろいろな意見が出た。また機会を見つけて、別のところで番外編でやってもいいかなと思う。本当に皆さん、最大限のエネルギーを出していただいた。この未来塾のためにお越しいただいたことに感謝申し上げ、閉講としたい。